オランダはドイツなどと共にヨーロッパにおいて移民が多い国です。
はじめは労働力を確保するために始められた移民政策。
しかし今では福祉や選挙制などにおいて様々な問題が出ています。
そして、そうした問題の中でもひときわ問題となっているのが移民の
融和問題です。

移民達の多くは自らの出身国の人達でコミュニティーを生成し
固まって住む傾向があります。
加えて、オランダでは他文化主義の原則として移民達が祖国の言語で
学べる学校の設立が認められており、それに対して行政からの
補助金も出ます。

そのためオランダで暮らしながら、十分なオランダ語能力を持たない移民達の
2世や3世などがオランダ国内で非行に走る事も多々あり、治安などに
大きな問題が出てきているそうです。 

移民と向き合うオランダ政府。
こうした理由から国籍取得に厳しい制約をつける一方で
無料でオランダ語のレッスンを受けられるサービスなども行っています。
これは国籍取得にオランダ語の試験があるのが理由の一つです。
そしてもう一つ、現在オランダでは国籍取得の条件として
実にユニークな国家試験を突破する必要があります。

それはオランダについての知識を求める筆記試験なのですが
その出題内容が実にバラエティ豊かです。

例えば「去年のミスオランダは誰か」といった芸能問題。
あるいは「オランダ人がもっとも大切にする記念日は何か」といった
オランダ人にとっての一般常識問題。
そして当サイトでも紹介したオランダ名物生ニシン「ハーリングの正しい
食べ方」といった食事文化の問題など。

これらの出題についてあらかじめ本などで勉強するわけには中々いきません。
観光ガイドにミスオランダが載っているわけでもありません。
オランダ人の友人でもいなければ記念日について知るのもなかなか難しいでしょう。

従って、この試験はオランダ人と共に生活し、生のオランダを知らなければ
突破することが難しいのです。
オランダ政府の考える「移民と融和についての考え方」がよく伝わってくる問題の数々です。

一方、裏返せばこれらの国家試験を突破した方は「真にオランダを愛して
いるオランダ人」といえそうです。

「VanGoghの名前を冠したお酒はどんな酒類のお酒?」
こんな問題にも、ちゃんと「フレーバーウォッカ」と答えてくれそうです
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