薬用酒として生まれたジンの歴史

ジンは4大スピリッツの一つに数えられるお酒で、1660年にオランダのライデン大学医学教授、フランシスクル・シルヴィウスが薬用酒として研究・開発したのがきっかけで世界中に広まっていきました。教授は植民地で悩まされていた熱病対策のために、利尿作用のあるジュニパー・ベリーをアルコールに浸して蒸溜する事で、利尿作用や解熱作用、健胃剤のある薬用酒を作り上げました。
ジュニパー・ベリーを主体としたスピリッツの製造は、11世紀頃のイタリアの修道士がはじまりとも言われていますが、一般的に広く飲まれるきっかけとなったのは、薬用酒としてオランダで広まったのが最初です。
この当時の蒸留酒は、ごく簡単な構造のポット・スチルで作られており雑味の多いものが大半でした。しかしジェニパー・ペリーの爽やかな香りを持つジンは香りが良く味にも優れ、一般にも広がりオランダ国民の間で愛飲されるようになっていきます。当初はジュニパー・ベリーのフランス語であるジュニエーブルと呼ばれていましたが、イギリスに渡りロンドンでも人気を博した事で名前が短縮され、ジンと呼ばれるようになります。この頃は砂糖を加えた甘口が主流でしたが、19世紀はじめに連続式蒸溜機が誕生した事で、現在のような無色透明でさわやかな香味を持った辛口の味を製造できるようになりました。やがてアメリカへ渡った後はカクテルベースとして人気を博し、世界的に名を知られるお酒になり現在に至ります。



 
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